シロアリ調査は置かれている状況によって目的が変わります。

シロアリ予防施工の場合は(シロアリが発生している症状がない状況)では、
「建物の構造」と「シロアリの侵入がないか」について調査をしますが、

シロアリ駆除を前提とする場合には、
「シロアリの種類」「侵入経路」「建物の構造」「被害の程度(範囲)」を調査します。

シロアリ調査の方法

床下調査

O邸調査写真
シロアリはほとんどの場合で基礎や束などの建物の立ち上がりに蟻道(ギドウ)と呼ばれる土や糞で作った道を通って地中から家に侵入してきます。その為、床下に入って基礎や束、蟻道が形成されていないかを調査します。また、シロアリは光や空気の流動を嫌う為、食害によってできた木材の隙間に蟻土(ギド)と呼ばれる土や糞を埋める習性があります。特に目視で蟻道が確認できないような土間周辺や基礎コンクリートにひび割れが見られるような場所などの床下では土台や柱や根太などの木材に蟻土がないかを注意深く調査する必要があります。家の床下へは、床下収納庫や畳の部屋から入ることができます。

外部調査

外基礎侵入写真
外基礎や玄関ポーチなどから侵入がないかを目視で確認します。エアコン室外機の裏側や勝手口のコンクリートステップの隙間など目に見えにくい場所や倉庫が外壁に打ち付けている場合など建物と隣接しているものがある場所に蟻道や蟻土やないかにも注意します。また、同時に雨漏りが疑われる場所がないかも確認します。

玄関・勝手口・在来式浴室(土間)

O邸調査写真
玄関や勝手口、在来式浴室など床下から確認できない場所については室内から目視・触診・打診を行います。
蟻害がある場合は、木材が空洞化しているため叩くと空洞音がしたり、注意深く触ると木材がへこんだりする症状が見られます。
蟻土がないかも注意深く確認します。

天井裏調査

A邸調査写真
イエシロアリの侵入が疑われ床下からの侵入確認ができない場合など状況により天井裏調査を行います。

シロアリ調査で必要なもの

  • 防塵マスク
  • 破れても汚れても良い厚手の服(できれば厚手のツナギ服)
  • 長靴
  • 帽子(頭を覆うもの)
  • 懐中電灯(※電池残量確認し予備も持参するといいでしょう)
  • マイナスドライバー
  • 緊急時の為に携帯電話を持参(※埃の多い所なのでケースに入れて置きましょう)
  • ※床下・天井裏調査は危険ですので、お勧めはできません。
    ※安全の為に一人では絶対に行わないこと!

    言うまでもなく、実際のシロアリ被害現場を知っている専門の調査員とそうでない人が行うシロアリ調査は精度が違います。何故なら、シロアリの被害事例を知っていないと調査対象の建物でシロアリが侵入しやすい場所を想定した重点的な調査ができないからです。また、床下での動きに慣れていないと、床下で動くことに精一杯で視野が狭くなってしまいます。その為、経験が少ない調査員ではシロアリの侵入を見落としがちになります。シロアリは気になるけども、自分で対処できるものなら自分で行いたいとお思いの方もいらっしゃると思います。床下・天井裏に関する調査は危険を伴いますので、お勧めはできません。しかし、室内や屋外での調査であれば安全に確認することができます。

    シロアリ発生の兆候をセルフチェック

    羽アリを見た

    シロアリはある時期になると巣別れの為に一部のシロアリは羽を生やして飛び立ちます。ヤマトシロアリは3月頃からゴールデンウィーク辺りをピークに5月中旬頃までの昼間、黒色の羽アリが飛び立ちます。イエシロアリは5月下旬頃から梅雨明けまでの夕方から夜にかけて、茶色の羽アリが飛び立ち光に集まります。近くの家で大量に羽アリが発生していたというときは特に注意が必要です。

    床がプカプカする

    シロアリが土台や大引き、根太など食害された部分は空洞化されますので床上から荷重がかかると沈んでしまいます。床がプカプカするという症状があればシロアリによる被害の可能性も考えられます。

    雨漏りがしている

    シロアリにとっての水源となる場所があると、シロアリは建物に侵入して家を餌場にしやすい傾向があります。

    扉の立て付けが悪い

    シロアリによって木材が食べられると荷重を柱や土台が荷重を支えられずに傾きが生じる為、扉の立て付けが悪くなる症状が出ていきます。

    土で盛ったような跡がある

    シロアリは食害した木材に隙間ができると、光や空気の流動を嫌うため、糞や土で木材の隙間を埋める習性があります。

    シロアリ駆除について