羽アリの基礎知識
羽アリとは何なのか?
羽アリは、シロアリやクロアリが生活する巣の構成員が増えたために起こる「巣別れ」や「巣の危険」を察知して巣を飛びたったことが原因でみられます。
羽アリがみられるのは、前者の「巣別れ」によるものが一般的です。
羽アリはある時期になると繁殖のために羽を生やして飛び立つ「シロアリ」または「クロアリ」
シロアリやクロアリは女王や王を中心に大規模な家族で生活しています。
例えば、シロアリは、数万~数十万頭以上の大家族で生きていますが、巣の規模がある程度大きくなると、新たな場所で家族を築いて生殖活動を行おうと一部のシロアリは羽を生やして飛び立ちます。
これは、結婚飛行(群飛)とも言われるもので、羽アリとなって飛び立つ時期はシロアリやクロアリの種類によって異なります。
クロアリとは?
私たちが外で見かける地面を歩行している「蟻」をクロアリと呼んでいます。
クロアリは、昆虫学上は「ハチ」の仲間に分類されていて、シロアリとは異なる分類になります。
クロアリは、糖類やタンパク質を栄養としています。
シロアリとは?
クロアリと名前は似ていますが、シロアリは「蟻」ではなく、ゴキブリに近縁のある昆虫です。
シロアリは、木材成分のセルロースを栄養としています。
このように羽アリは、「シロアリ」「クロアリ」と大きく2種類に分かれます。
羽アリの特徴~シロアリかクロアリかの見分け方~
羽アリがシロアリかクロアリかによって対処法が変わります。
したがって、羽アリが発生した時は、まずはシロアリかクロアリかを確認しましょう。
上の図のように、クロアリの羽アリは、前後の羽の大きさが違い、胴体にクビレがありますが、
シロアリの羽アリは、
「前後の羽の大きさが同じ」
「胴体が寸胴」
「触角が数珠状」
そして、「羽を落とす」特徴があります。
羽アリの種類は何ですか?
写真のように、
前後4枚の羽の大きさが同じで羽を落としているのであれば、シロアリの可能性が考えられます。
シロアリの中にも種類があります。日本でよくみられるのは上の写真の2種類です。
「胴体にくびれがある、前後の羽の大きさが違う」羽アリはクロアリです。
クロアリの方はこちらを参考にしてください。
以下は、シロアリの羽アリの発生原因と対処方法について詳しく説明していきます。
羽アリの発生原因とそれぞれの対策
羽アリの発生原因とそれそれの対策について説明します。
羽アリが家の中から発生する2つの原因
羽アリの種類が分かったら、次は、羽アリの発生原因を特定して、それぞれの対策を行いましょう。
シロアリの羽アリが家の中で羽アリが発生する原因は2つあります。
(1)家の外から飛んできた
シロアリの羽アリは、近所の家や樹木などが発生の原因で飛んできて、窓のサッシの隙間等から家の中に侵入をしてきます。3月頃~5月のゴールデンウィーク辺りまで黒色のヤマトシロアリの羽アリが日中に飛び立ちます。5月下旬頃~梅雨明けくらいまでの夕刻には茶色いイエシロアリの羽アリが飛び立ちます。
特に、梅雨の夕刻頃に飛び立つ羽アリは夜間に家から漏れる光に集まってくるため家の中に侵入をしてくることが多くあります。
※北陸地域ではゴールデンウィーク明け頃から、東北や北海道の一部地域では5月下旬頃から6月にかけて黒色のヤマトシロアリの羽アリが飛来します。
羽アリの飛来時期はできるだけ、家の窓を開けないようにしたり、
羽アリが寄ってこないように、夜間は室内の灯りが外に漏れないようカーテンを閉めるなどの対策を行いましょう。
(2)シロアリ被害が原因で家の中から羽アリが発生している
写真は、シロアリが地中から床下に通り道を作って家の中に侵入し、土台や柱などを餌場にして繁殖しているケースです。
一般に、シロアリ被害が原因で家の中から羽アリが発生している場合は、大量の数の羽アリがみられます。
羽アリが大量に発生している場合、原因は家の中に侵入しているシロアリの巣の構成員の数がある程度増えたため、一部のシロアリが巣別れをするために羽アリとなって飛び立っていることが考えられます。つまり、シロアリによる被害の可能性が考えられます。
シロアリ被害は放置しておくと、柱や土台などの強度低下につながりますので、早期に適切な対応が必要です。
羽アリの発生原因がシロアリ被害の場合は、
シロアリの完全駆除が必要です。
完全駆除に失敗をすると生き残りのシロアリが四方八方に移動をして、家の損害が大きくなることがあるため、自分で対処するのはお勧めしません。
シロアリ駆除専門の業者に相談しましょう。
参考:シロアリ業者の選び方の注意点とアドバイス
※シロアリ業者選びはネットの口コミや仲介業者に注意しましょう。
羽アリが大量発生したらやるべきこと
羽アリの大量発生は、シロアリ被害が疑われます。
もしも羽アリの発生原因がシロアリ被害の場合、
この時に適切な対応を行わないと、シロアリ被害が進行してしまい、
様々な悪影響が及ぶ結果となってしまいます。
シロアリの羽アリは一年のある時期にだけ発生します。
羽アリの時期が過ぎれば、羽アリは見なくなりますが、シロアリは家の中で一年中活動して、家の柱や土台を食べていきます。
すなわち、羽アリが発生しなくなったからとそのまま放置しておくと、シロアリ被害が進行してしまいます。
写真のように、シロアリは木材の内部を食べていきますので、
見た目は分かりにくいですが、被害が進行すると、中身は空洞化します。
羽アリ発生を放置してシロアリ被害が進行すると、建物に歪が生じて戸の閉まりが悪くなったり、被害部位によっては耐震性にも影響してしまいます。
また、被害が進行するほど、修復にかかる費用も必要となってしまいます
後ほど詳しく説明しますが、
シロアリ被害が原因で羽アリが発生している場合は
殺虫スプレーの散布はかえって被害を拡大させてしまいます。
羽アリが大量に発生したら、
「そのままの状態でシロアリ業者にシロアリ調査を依頼しましょう」
※シロアリ業者選びはネットの口コミや仲介業者に注意しましょう。詳しくはコチラ
羽アリ駆除スプレーで羽アリが止まらない理由
家の中から羽アリが大量に発生したら、条件反射でやってしまうことは殺虫スプレーです。
しかし、殺虫スプレーを撒いて、羽アリが出てこなくなって、安心してたら、他の場所から一斉に出てくる・・この繰り返しでないでしょうか
何故、殺虫スプレーでは羽アリの発生が止まらないのでしょうか。
羽アリ駆除剤では羽アリ(シロアリ)が駆除できない3つの理由
市販されている羽アリ駆除剤、殺虫スプレーをいくら散布してもシロアリの羽アリが駆除できない理由は次の3つです。
(1)シロアリが社会性のある生き物だから
シロアリは単独では生きれません。シロアリのコロニー(巣)には生殖活動に専念する女王・王アリを中心として、兵蟻、職蟻、ニンフなどに階級化されており、集団で生活しています。1つのシロアリコロニーの構成員の数は、ヤマトシロアリで2~3万個体、イエシロアリでは100万個体に達するとも言われています。
(2)家は地面と基礎等が接して柱や土台・壁等で組み立てられているから
シロアリは地面から建物に侵入してくることがほとんどであり、基礎や束などの建物の立ち上がりに蟻道(ギドウ)と呼ばれる土や糞を盛って作ったトンネル状の通り道を作って侵入をしてきます。シロアリは、一度、土台などの木材に達すると、柱・土台・大引きなどの木材の表面や中をつたって360度の方向を行き来でき、種類によっては天井裏まで被害が及ぶこともあります。シロアリのコロニーの数は数万~数十万匹に及びますので、当然、建物敷地内には複数の侵入経路がある場合も多くあります。
(3)市販殺虫剤は忌避剤であるから
市販殺虫剤は即効性で忌避成分(嫌がって近寄らない成分)が使用されているため、直接薬剤の成分に触れたシロアリにしか殺虫効果を及ぼすことができません。
羽アリが大量に発生している場合は、家の中には様々なシロアリの通り道がある可能性が考えられ、数万匹以上の仲間のシロアリが生活をしていることが考えられます。
したがって、羽アリが発生している場所に殺虫スプレーを散布しても、その場の羽アリにしか効果がないだけでなく、殺虫スプレーの成分が生き残りのシロアリ(羽アリ)を警戒させて家の中に新しい道ができてしまう可能性が高くなるのです。
羽アリ発生の相談事例
参考:梅雨の茶色い羽アリについて
参考:黒い羽アリについて
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羽アリ発生の方へのサポート
当サイトではシロアリ駆除経験が豊富なスタッフが常駐しています。公正中立な立場でお悩みをお聞きし、羽アリの発生でお困りの方のシロアリ駆除業者選びを無料でサポートしていますので、お気軽にご相談ください。
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参考:シロアリ駆除費用の知識
シロアリの専門業者にシロアリ調査や見積もりを依頼する前に、シロアリ駆除についてある程度知っておくと良いでしょう。
何故なら、シロアリ駆除の業者は良心的な業者だけでなく、残念ながら中には悪質な業者もいます。無知をいいことに不必要な工事を勧められるかもしれないからです。
ある程度の知識があれば、数社見積もりをとってもどこが自分にとって良い業者なのかの判断ができるはずです。後悔しないためにも、ある程度のことは知っておくと良いでしょう。