ハウスメーカーさんやリフォーム会社さんにシロアリ対策を勧められたり、もうすぐ家を建てて5年が経つからそろそろシロアリ対策を・・と、シロアリ予防工事を考えるけど、でも、「できることならお金はかけたくない(*´ω`)」のが本音だと思います。
また、「本当にシロアリ対策が必要なのか?」と疑問を持って色々とお調べになっている方もいるはずです。
そこで、この記事では、
具体的な被害事例を紹介して、
を説明します。
この記事を書いている私は、実際に多くのシロアリ被害現場を担当してきましたが、シロアリ対策の必要性は自分の家や近所の家が被害に遭ってから気付く方が大半です。
また、シロアリ被害に遭われた方の中には著しい被害によって家を建て替えた方もいらっしゃいます。従って、家を所有した以上はシロアリ駆除・予防の必要性について正しく理解をしなければいけません。
この記事を読めば、何故シロアリ対策が必要なのかが理解できるはずです。
シロアリ被害の影響について
初めに、シロアリ被害が私たちの生活にどのように影響するのかを説明します。
シロアリ被害とは
シロアリ被害とはどのようなものなのかが分かるようにいくつかの写真を紹介します。
シロアリ被害とは、シロアリが人間の住む家を餌場にして家の土台や柱などを食べていくことです。
写真のように、シロアリは木材の表層だけを残して中身を食べていくので、シロアリ被害を放置しておくと、土台や柱などの強度は次第に低下していきます。シロアリは土台や柱などの木材の中を行き来しているため見た目は分かりにくく、被害が進行してからでないと気付きにくい特徴があります。
シロアリ被害例
シロアリの住宅被害は火災に遭うよりも確率が高い
シロアリ被害率は家の築年数と共に上がっていき、築年数が新しいほど比率は低くなります。年数や家の構造、地域によってシロアリ被害率は変わりますが、国土交通省の補助事業『シロアリ被害実態調査報告書』では、全調査棟数の約2割にシロアリ被害がみられています。あくまでもデータであるとはいえ、白蟻被害に遭う確率が火災や空き巣に遭う確率より高いことには間違いありません。
シロアリ被害の4つの影響
シロアリの住宅被害の主な影響は下記の4つが挙げられます。
資産価値の減損
柱・土台や大引きなどシロアリが食害することで、木材の中身は空洞化していきます。
被害が進行すると、美観を損ねたり建物の歪み傾きが生じて戸の閉まりがわるくなったりすることもあります。
耐震性への影響
被害が進行すると、強度低下により耐震性への影響が生じます。
阪神淡路大震災において倒壊した家屋の8割以上がシロアリによる被害や木材腐朽が直接的原因であったと言われています。
修復にかかる費用
シロアリ被害が進行して柱や土台、梁などを食べらると、その修復にかかる費用が数百万円に及ぶこともあります。
近所や家庭内でのトラブル
大量の羽アリが自宅から発生することによって、ご近所に迷惑をかけることになり関係が悪化することがあります。
また、家の中から大量の羽アリが発生して年頃の娘さんが怖がって家を出てしまったなど家庭内トラブルの原因になったケースもありました。
ベタ基礎(コンクリート)でもシロアリ対策は必要?
ベタ基礎でもシロアリ対策は必要なのかについて実際にあった話を紹介します。
実際にあったベタ基礎シロアリ被害のお話
よくベタ基礎だからシロアリ予防工事はしなくて大丈夫とおっしゃられる方もいらっしゃいます。
結論から言うと、ベタ基礎でもシロアリ被害はみられます。正確には、床下が土よりもベタ基礎の方がシロアリに入られにくいということです。
1級建築士の社長宅のシロアリ被害はベタ基礎でした
昔、私が取引先から新しく紹介を受けました工務店の1級建築士の社長もベタ基礎はシロアリが入らないという考えの一人でした。新築のシロアリ予防施工の工程の打ち合わせの時にこちら側が工事に入るタイミングを説明をしても、「ベタ基礎だから必要ないだろ?」と上の空なのです。こちらが事前に言っていた工程の段階に連絡をくれず、通常の施工ができないことが続きました。そこで、ベタ基礎でもシロアリが侵入することがわかる、ある大学と薬剤メーカーが行った防蟻工事の実験データの資料を持って説明をし、「ちゃんとやります」言われましたが、本心のところではシロアリ予防の必要性を感じて頂けなかったようで防蟻工事のタイミングに連絡を忘れることがその後も何度かありました。
最初の取引から1年くらい経ってからだったと思います。その1級建築士の社長から息子の家が白蟻の被害にあっているようなので見積もりに行って欲しいとの相談を受けました。
調査に行ってみると、息子さんの年齢からすれば結構ご年配の奥様がいらっしゃり、「いつも主人がお世話になってます」と・・・どうやら社長本人の自宅が白蟻被害に遭ってしまったようです。調査を実施したところイエシロアリによる被害で、ご自宅はベタ基礎でした。ベタ基礎でもシロアリが侵入するため対策が必要ということを身をもってご理解されたようですが、ご自身の家が被害に遭ってからのことでした。
社長には失礼かなと思いながらも私の経験の例をあげさせて頂きましたが、「ベタ基礎だから大丈夫」とおっしゃられ被害に遭われる方は多いのです。
こちらは床下がベタ基礎ですが、白蟻が侵入している現場の写真です。基礎の立ち上がりに面している茶色の道は蟻道(ギドウ)と呼ばれ中がトンネル状になっていて白蟻が行き来しています。ベタ基礎も経年と共に隙間ができますし、配管の立ちあ上がりなどには隙間があります。その1ミリにも満たない僅かな隙間から白蟻は大あごでコンクリートの粒子をかみ砕いて家に侵入をしてくるのです。
シロアリ駆除の必要性
ここまででシロアリ被害は生活に様々な影響が出ることが分かったと思います。
何千万円もの銀行ローンを組んで建てた家であっても、ひと度、シロアリが家に侵入をして被害を放置していれば、柱や梁が著しく喰われ美観を損ね耐久性にも影響することがあります。その際には、シロアリを駆除する費用だけでなく、修復するための大工工事にも大きな予算が必要になります。従って、「住まいの安全性」「経済性」への影響を最小にするために、シロアリの被害を発見した場合は、早期に駆除を行う必要があります。
また、経験上、シロアリ被害に遭われた方の多くはシロアリ対策の必要性を知らなかった方です。シロアリ対策について認識されている方でも「まぁ、うちは大丈夫だろう」と思われるので、「まさかうちにシロアリが・・」と被害に遭ってからその必要性を理解されます。シロアリ被害に遭うかわかりませんが、シロアリ被害に遭う可能性があるのはどの家も同じです。
家を建てた後には、長く住むために、日ごろから室内の空気の入れ替えに気を付けたり、雨漏りを防ぐために定期的に屋根や壁を塗装するなど維持管理をしていくことが必要です。同じように、白蟻が間違えて大切な我が家を餌場にしないように、定期的にシロアリ対策を行う必要があるのです。
筆者は、シロアリ駆除の現場に携わる中で
「実は今までシロアリは気になっていたけど、
どこの業者に頼めば良いかわからなかった」という方にも多くお会いしました。
しろありの窓口は、このような方たちが安心してシロアリ駆除を依頼できる世の中になればと思い始めました。
シロアリ業者の選び方は以下をご参考ください。
【参考】シロアリ業者の選び方